自分らしく。

不倫じゃなくて恋だった。あなたを好きになったこと後悔してないよ。

第9話 不倫の先にあるもの


 周辺をきにしつつも
 彼に会いに行ったり
 に来てくれたり


 
 あの事件から1年が過ぎていた
 「奥さんと同じ寝室なんだろうか」
 「今日は子どもの卒業式だから並んで座ってるんだ」
 「助手席に奥さんをのせて買い物にいくのかな」
 そんな事ばっかり考えてしまって
 胸がギュって
 日に日に苦しくなっていった


 このまま彼と一緒にいても
 結局、私は不倫相手
 どんなに好きだって言われても


 彼が倒れても
 病気になっても
 何もできない


 苦しかった


 そんな事考えずに楽しめばいいんだろうけど
 私にはできなかった


 彼を責めたり冷たくしたり
 変な喧嘩が多くなったり
 私の心が不安定になっていく
 どんなに優しい言葉
 うれしい言葉を言われても


 どうせ本心じゃないだろ


 そう思うようになっていった
 好きな気持ちは変わらないのに
 天邪鬼というか
 素直じゃないというか


 今考えたら
 怖かったのかもしれない


 ごめん、やっぱり奥さんが大事だから


 そう言われるのが
 怖かったのかもしれない
 (勝手な想像だけど)
 別れを彼から告げられるのが
 嫌だった


 不倫だからさ
 ゴールはないし、進展もない
 わかってるのは
 いつか終わるってことだけ


 やっぱり老後も一緒に過ごせる人
 そんな人がいい
 もう結婚しなくていいから
 でも不倫はイヤ


 そういう気持ちが大きくなって
 最後に
 彼の気持ちを試して終わろうって
 そう思った